投資初心者の100万円を資産運用。何から始める?

投資初心者の100万円を資産運用。何から始める?

この記事は100万円の貯金を達成した人が、初めて資産運用を始める時のために書かれています。初心者にも取り組みやすい資産運用方法(投資信託、債券、株式投資、そしてNISAとiDeCo)と、初心者はまだまだ手を出さないほうがいいかもよ、というハードルの高い投資もまとめてご紹介しますので、最後まで目を通してぜひ参考にしてください。



100万円あれば資産運用を!

100万円というのは、個人の資産運用のスタートにちょうどよい金額です。100万円を上手に運用すれば、そこから200万円、300万円…1000万円へと資産を増やしていくことも、夢ではありません。

100万円を元手に資産運用をする場合、毎月10万円を元手に1年をかけて投資をする、というイメージを持ちましょう。初心者は100万円を1つの投資先にいっぺんに入れてしまわないこと。もしその投資先がダメになると、100万円の価値があっという間に下がってしまいます…。

初心者は、毎月10万円づつ、10カ月~1年をかけて投資をし、10年~をかけて資産を育てるイメージを持ちましょう。

初心者もできる資産運用5つ

ここから紹介する資産運用方法は、比較的リスクが低く、100万円の資金(毎月10万円以内と考えます)で行えるものばかりです。

「コツコツ積み立てられる」「非課税枠を利用できる」「小額でも投資できる」といった特徴があります。

①投資信託

投資信託は毎月積み立て型が多い投資商品です。投資信託は初心者でも少額の資金で始められ、リスクを抑えた運用ができます。

プロの投資家が、資金を運用をしてくれるし、プロが様々な商品を組み合わせているのでリスク分散がされているのも魅力です。

もし10万円を年利5%の投資信託で運用した場合、以下のように増えていきます。

投資年数:利益合計
1年目:10万5000円
3年目:11万5763円
5年目:12万7628円
7年目:14万0710円
10年目:16万2889円

投資信託は早く始めたほうが有利です。積み立てる期間が長いほど、利益がどんどん積み上がるからです。

投資信託を100円から始められるネット証券が人気となっていますが、あまりに少額だとリスクもリターンも少なくなります。(100円が2倍になっても200円ですから!)

②債券(国債・社債)

債券とは、企業や国がお金を借りたときに発行する借用書のことです。国の債券のことを「国債」、企業の債券のことを「社債」と言います。投資家はこれを購入して利息や割引などで利益を得ます。

債券には満期があり、満期になると額面金額が投資家に払い戻されます。

お金を借りる国や企業の信頼が高いほどローリスク、ローリターンとなる特徴があります。国債や高格付け社債は利回りが低く、短期的に資産を増やすことは難しいでしょう。

例えば、楽天証券の「個人向け国債の固定3年」という日本国債は0.05%の低利率で、1年で得られる利益は10万円でも50円しかありません!

債券は株式投資や投資信託などと併用して、分散投資のポートフォリオを作るのに向いていると言えます。



③株式投資(現物取引)

株式投資は安いときに買い、高くなったら売るの繰り返しで利益を増やします。売買のタイミングを見極めることができれば大きく利益が出るので、資産を増やすのに向いている投資と言えます。

10万円以下で購入できる株もとても多く、たとえばネット証券大手のSBI証券では、1534社もの取り扱いがあります。

初心者には売買のタイミングが難しく、買ったはいいもののなかなか上がらず、いつまでたっても売却できないということもあります。こういった株を「塩漬け株」といいます。

配当金や株主優待も魅力

しかし、株式には長期保有もメリットがあります。短期では売買益が出せない塩漬け株も、ゆっくりと手元におき配当金や株主優待をもらいながら気長に値上がりを待ってもいいでしょう。

なお初心者の場合、信用取引はしないほうがいいでしょう。自己資金の現物取引がおすすめです。

 

④NISA(一般NISA、つみたてNISA)

NISAには「一般NISA」と「つみたてNISA」の2種類があります。併用はできず、どちらかを選ぶ選択制となります。

一般NISAとつみたてNISAの違いは以下のようになります。

一般NISA つみたてNISA
年間非課税枠 120万円 40万円
非課税期間 5年間 20年間
非課税枠合計 600万円 800万円
株式売買 可能 不可
投資信託 可能 可能(金融庁の基準をクリアした商品)

一般NISA

一般NISAは年間取引額が120万円まで非課税、5年間継続されます。株式や投資信託など、ほとんどの商品を売買できるので、大きく利益を出したい人に向いています。

つみたてNISA

つみたてNISAは年間40万円までが非課税20年間継続できますので総額800万円(年間取引額40万円×20年間)となり、一般NISAの総額600万円(年間取引額120万円×5年間)より多く投資できます。

対象商品は国の基準をクリアした投資信託のみで、長期運用を目的としています。

ネット証券では100円から積立できますので、コツコツ無理のない投資が可能となります。

⑤iDeCo(個人型確定拠出年金)

「iDeCo」は国の個人型年金制度で60歳まで積み立てられます。所得税や住民税が軽減されるのですが、60歳まで解約できないため長期での運用をすることになります。

会社員の場合、毎月5000~2万3000円のあいだで積立金額を選ぶことができ、証券会社から商品を購入して運用していきます。節税効果があるため、大きな利益を得ることができます。

日経平均を指標にするインデックスファンドや積極的に利益を狙いに行くアクティブファンド、平均的に組み合わせたバランス型などを自分で選び、配分も自分で設定します。

たとえば30歳からiDeCoを始め「毎月1万5000円を年利5%」で60歳まで運用した場合、以下のようになります。

積立元金 540万円
運用益 708万880円
合計金額 1248万3880円

「NISA+iDeCo」の資産運用はおすすめ

投資初心者はまず、NISAやiDeCoといった非課税制度を上手に利用しながら安全に資産を増やしていきましょう。iDeCoには注意点もありますので、下の関連記事を読んでから始めるのがおすすめです。

 

10年後、20年後の将来を見据えて早い段階から正しい知識を身に付けましょう。投資は運用期間が長いほど資産を増やすことができますから、早めに取り掛かるのが大切です。

次に投資初心者にはハードルが高いと思われる資産運用方法を説明していきます。



初心者には難しい資産運用

初心者がよく考えたほうがいい難しい資産運用方法は「仮想通貨」「FX」「毎月分配型投資信託」の3つです。くわしく見ていきましょう。

①仮想通貨

仮想通貨」とは、暗号化技術を利用したインターネット上だけに存在する通貨のことを指します。どこか特定の国が責任をもって発行した物理的な紙幣や硬貨はありません。

世界中で流通している仮想通貨の種類は3000種類を超えており、有名な仮想通貨の種類としてビットコインがあります。

仮想通貨は数千万~数億円を稼いだというニュースも耳にしますが、逆に莫大な損失を出してしまった話も後を絶ちません。それほど価格変動が激しいのです。

セキュリティ面も確認を

仮想通貨を持つなら、ハッキングや詐欺などセキュリティ面での危険性も見逃せません。2014年に仮想通貨取引所がハッキングされビットコイン約75万BTC(約480億円)が流出した事件があり、その後もハッキング事件はたびたび起こっています。

初心者が取引を行うには、徹底した情報収集や安全な取引所の選定などが必須です。

まだまだ不確実性がある投資ですので、安全に資産運用をしたいのであれば、小額だけやってみることをおすすめします。くれぐれも100万円全部入れることはしないほうがいいでしょう。初心者にはハードルの高い運用方法です。

優遇税制がない

仮想通貨のもうひとつのデメリットを挙げるなら、税金です。仮想通貨取引にはまだ優遇税制がなく、それどころか、含み益にも課税される可能性があります。

仮想通貨取引で生まれた利益は「雑所得」と分類されます。この雑所得にかかる税率は、株式取引やFX取引の利益にかかる税率(20.315%)よりも、はるかに高いのです。

また、雑所得は「事業所得」とも違い、青色申告控除(最高で65万円)や経費控除などの節税効果もありません。損失の繰り越しもできません。

さらに、仮想通貨取引では受け取っていない「含み益」にも課税されてしまうケースがあります。値動きの激しい仮想通貨ですから、万が一、億単位の利益を現金化し損ねて高額課税されるとたいへんなことになります。

②FX取引

FX」とは、Foreign Exchangeの略語、つまり外国為替証拠金取引のことで、為替レートの上がり下がりを利用して利益を出す金融商品です。世界中の外国為替市場を利用するため、24時間取引できます。

FXは「初心者の9割が1年以内に撤退する」と言われているほど初心者にはリスクが高い投資のひとつです。なぜならFXであつかう為替は値動きがとても激しく、初心者が予測するのは困難だからです。

運よく利益が出れば良いですが、一瞬で多大な損失が生じてしまう可能性もあります。

ハイリスク・ハイリターンの「レバレッジ」

FXには「レバレッジ」と呼ばれる、少ない資金で大きな金額の取引ができる仕組みがあります。個人口座では自己資金に対して最大25倍の取引ができるため100万円の資金であれば2500万円の取引が可能となります。

成功すればリターンは大きくなりますが、失敗したときのリスクは計り知れません。

為替は世界経済の動きと直結しているため、常にアンテナを張っていないといけませんし、各通貨の値動きの特徴も把握しておかなければいけません。

さらにチャートの分析や運用ルールの徹底など、覚えなければいけないことは多岐にわたります。このことから、初心者が安全に資産を増やすためには不向きで、とてもリスクが高い投資と言えます。

③「毎月分配型」投資信託

初心者の資産運用方法としておすすめの投資信託ですが、毎月分配型投資信託は要注意です。

毎月分配型投資信託は、毎月出る分配金のほとんどが元本払い戻しです。投資信託は複利の効果を活用する金融商品ですので、毎月分配金を受け取る投資では複利の恩恵を受けられません。

投資初心者ほど数年単位で積み立てていく中長期的な運用をし、複利の効果を最大限に生かすべきでしょう。



お金の知識は自分で学ぶ時代

初めての大切な100万円を投資しようとする初心者の方のために、おすすめの資産運用方法5つと、初心者向きでない資産運用方法3つをご紹介させて頂きました。

わかりやすくまとめたつもりですが、それでもおそらく「よくわからない…」という部分があるかと思います。お金の知識は中学校で1つの科目にしていいぐらいのボリュームがあり、とても1つの記事で説明することはムリなのです。

日本では義務教育で金融教育をしません。しかし、私たちは自分でしっかり財産を作らないと老後を生き抜けない時代に突入しています。

お金について、まとまった勉強をしたことがある人と、そうではない人の差はどんどん開いていってしまいそうです。ぜひ自分から勉強をする機会をもってみてください。


この記事の執筆者

林 晶

林 晶

人材紹介会社でキャリアコンサルタントとして数百名の仕事の悩みを聞いた経験を持つ。子育てを経てキャリアライターに。得意なライティング分野は、ベンチャー業界、不動産投資、外資系の働き方、子育てとキャリアなど。趣味は自転車で神楽坂と谷根千をブラつくこと。

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