毒親とのつきあい方③実家に入れる生活費はいくら?
毒親持ちにとって、1人暮らしは自立への第一歩であり、自由への始まりでもあります。とはいえ、現実的には実家に住んで、親と同居を続けている人も多いのでは…。実家暮らしだけど、いつか1人暮らししたい!という人のために「家に生活費をいくら入れるべき?」「何をしておくべき?」といった疑問に答えます。
実家暮らしのメリットは?
実家暮らしにはさまざまなメリットがあります。最大のメリットは「経済的な負担がとても少ない」ことです。
実家暮らしなら家賃や食費、水道光熱費の負担が、1人暮らしよりも少なくすむことが多く、貯金にまわせる金額も増えます。
令和3年3月31日に厚生労働省の発表した「令和2年賃金構造基本統計調査の概況」を見てみましょう。20~24歳の平均月収は男女平均で21万2000円、女性だけ抜き出してみると20万9200円と、決して高いとはいえません。
年齢が上がってもそれほど給与は上がらず、なかなか貯金がしづらい現実があります。パートやアルバイトの収入はさらに少ない場合が多く、実家暮らしは大きな経済的メリットがあるのは間違いありません。
しかし実家で生活するのがメンタル面できついと感じるなら、家を出ることによるメリットのほうが経済的なメリットより大きいかも知れません。
実家に入れるお金の相場は3万7417円
実家に入れるお金の相場はいくらなのでしょうか?株式会社リクルートの運営する不動産・住宅サイト「SUUMO(スーモ)ジャーナル」が2015年に発表したアンケート※によると、首都圏で親と同居する社会人が実家に入れる生活費は、平均すると3万7417円だそうです。
「家にお金を入れる」という女性の、年代ごとの実家に入れている生活費を見ると、以下のようになります。
20~24歳は2万4706円
社会人になって間もない年代である20歳~24歳は、意外にも65.4%もの人が家にお金を入れているようです。平均金額は2万4706円です。
25~29歳は3万8911円
25歳~29歳の女性は「毎月払う」という率は60.8%に下がるものの、金額的に見ると4万円近いお金を家に入れるようになります。
30~34歳は3万7364円
30歳~34歳の女性は、家にお金を入れる人の割合は59.5%と低くなり、入れる金額も少し減ります。結婚資金を貯め始める人や、「ずっと一緒に住んで欲しい」と思う両親がこのタイミングでお金を入れるのを断ることもあるそうです。
35~39歳は4万3255円
35~39歳の女性だと、約3/4にあたる74.6%の人が、実家に生活費を入れています。自分の収入が上がり、親の退職時期も重なるので、家計を支える意識が高まるのだとか。
3割は「生活費は払わない」
実家にほとんどお金を入れない、という人も全体の3割弱ほどいます。
もしここまで見てきた平均金額よりも、明らかに多い生活費を家に入れているようなら、少し減らすような交渉もしてみましょう。
※SUUMO実家暮らし調査(対象400名、うち女性200名)
調査期間:2015年3月19日~2015年3月20日
実家から出るには?
実家から出たいと願っている場合、大切なのは自分自身で家計をまかなえるようになることです。いずれ自立を考えているのであれば、まずは1カ月間にお金がいくら出ているのかをまとめてみましょう。
見えない生活費あれこれ
実家暮らしをしていると、家賃がかからないだけでなく、水道光熱費やNHKの受信料など、見えない支出も親に払ってもらっているため、思っている以上のお金がかかることに気付きません。たとえば、水道光熱費とNHKの受信料だけでも1年に10万円以上がかかります。
- 水道光熱費…1ヵ月あたり1万~1万5000円程度
- NHK受信料…2ヵ月払い2,520円、6ヵ月払い7,190円、12ヵ月払い13,990円(まとめて払うと安い)
このほか、通信費も大きな出費です。スマホの月額料金だけでなく、インターネットのプロバイダー契約やWiFiにもお金がかかる場合があります。動画配信の有料チャンネルを契約している場合、それも支払わなくてはなりません。
お金を入れていない場合?
実家からお金をたくさん要求されているのも問題ですが、お金をまったく受け取ってもらえないのも困りものです。経済的に甘えているうちに親離れのタイミングや自立する機会が失われてしまうからです。
お金は要らないという親と同居しており、いつかは1人暮らしをしたいなら、その浮いたお金を決して浪費しないようにしましょう。そして貯金をおすすめします。
自分が1人暮らししたらいくらかかるのか、それを把握できれば、いくら貯金すれば家を出られるのかもわかります。
ルームシェア、シェアハウスも考えよう
家を出る最初の一歩としてルームシェアやシェアハウスも選択肢です。
信頼できる同性の仲間と、お金をきちんと折半してルームシェアするのが理想的。そのときには共有スペース(キッチン、バス、トイレ)の掃除当番や、ちょっとした買い物などの分担もお互いに決めておくと、トラブルが減ります。
できれば1人に1部屋が確保されている物件を選びましょう。
トラブルがゼロの同居生活はない、というのも肝に銘じておいたほうがいいでしょう。他人と暮らすのは性格的に向き不向きもありますから、1人で暮らすのが向いているタイプは数万円をケチってルームシェアすることで、ストレスを抱えないように。
付き合っている相手と住むなら…
付き合っている人がいる場合、相手の家に転がり込む、という荒業もなくはないですが、結婚生活の前に同棲してしまうことになりますのでよく考えましょう。
もし同棲する場合は避妊にも気を配らなくてはなりません。相手が納得感のないまま同棲生活が始まり、妊娠してしまったりすると、お金も計画も正式なパートナーもないまま、母親になる…という可能性もあります。
相手の都合を考えないで転がり込むと、迷惑がられてしまい、関係が悪くなることもありえます。また、DVやモラハラをされても立場が弱く文句を言えなかったりしますので、これも要注意です。
1人暮らしで毒親から自立
1人暮らしを目指しても、誰もがすぐに家を出られるわけではありませんよね。しばらくは毒親と同居していかなくてはならない人もいるでしょう。
自分が1人暮らしするのに必要な金額を計算し、そのために貯金を始めれば、いつかは家を出る日がやってきます。自立した後は誰も助けてくれませんので、その時のためにしっかりと計画を立てていきましょう。
お金の知識も身に付けよう
正しいお金の知識を身に付けることも大切です。節約方法や正しいお金の使い方を学べば、将来自立するときに必要な金額が貯金できるようになります。
お金の知識は正しく身に付ければ一生使える知識なので、自信をもって自立するためにも、まずはお金について意識していくと良いでしょう。
それまでは家にいて親の世話になっていることは事実ですので、お金を入れる、または手伝いをするなどの気遣いも精神的な自立の一歩かもしれません。
言いづらいことですが、お金をまったくもっていないと、誰と暮らしても言いたいことが言いづらい立場になりがちです。しっかりとした未来への計画があれば、耐える気持ちもだいぶラクになりますよ!
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