中学受験偏差値が足りない…!それでも成果を出す家庭とは?

中学受験偏差値が足りない…!それでも成果を出す家庭とは?

小学校生活の終わりが近づく6年生の年末。中学受験をするご家庭にとっては追い込みの時期となります。じつはこの時期に成果を出せるご家庭と、そうでないご家庭の差が出てきます。この時期を迎えた親に出来ることは、がんばってきた子供に「勉強しろ!成績を上げろ!」とはっぱをかけるよりも、志望校研究を担当することです。



年末は子供の成績を直視する時期

年末も近づき、中学受験も追い込みの時期が迫ってきました。この時期になると今までの受験勉強の基礎固めがあらかた終わり、ぐっと成績が伸びる子と、なかなか思う偏差値に届かない子が出てきます。

中学受験で成果を出すために、この時期に追い込むべきなのは、じつは子供のほうではありません。むしろ親の受験校研究です。偏差値的に無理がなく、親子とも納得のいく志望校を選ぶ手伝いをすることは、受験当事者では手一杯。親がぜひともサポートするべきです。

子供の志望校を変更しなくてはいけないケースもあります。単に偏差値を下げて学校を選ぶだけでなく、本当に本人が通って楽しいと思える学校選びは何かを、最後に見直す時期と言えます。

学校見学などを通して志望校を選んだけど、「どうやら偏差値が届かない…」と感じ始めた子供に、新たな目標設定を手伝えるのは親だけです。

子供の志望校選びは他人の意見を広く聞く

志望校を選ぶときに大切なのは、塾講師や知り合いの父母などからの情報収集です。同学年の子供の「ママ友」である必要はありません。かえって、ライバル意識が面倒だったりします。

それよりも数年前に中学受験を経験した同僚、昔の同級生など、少し距離感のある中学受験の「経験者」に話を聞いてみるべきです。思いがけない本音を聞くことも少なくありません。

  • 中学受験で名門女子校に入った。憧れの学校だったが、友達や校風があわなかった。私立なので転校も難しい…。
  • 名門の中高一貫受験校に合格した。中学受験が終わったと思ったのに、息つく間もなく大学受験体制が始まった…。
  • おっかなびっくり、新設校に入れてみたが、上級生がいないのでのびのびしている。
  • 私立の名門校だが、部活動に見るべきものがない。
  • 学食やカフェテリアがなく、月曜から土曜日(部活がある)まで、お弁当を毎日作らないといけない。

同じ学校を受験しなくても、こういったリアルな本音を聞くと、学校選びではどういったポイントを押さえるべきかのヒントを得られます。



塾講師のアドバイスは聴いておいて損はない

受験直前の塾講師のアドバイスには特に耳を傾けましょう。子供の勉強の進度や成績をいちばん把握しているからです。経験や情報が豊富な塾講師が受験を勧める中学校には3つのカテゴリがあるので、知っておきましょう。

①絶対安全圏の中学校

塾講師の立場上、まったくどこも受からない生徒がいると、親からの評判も悪くなるし、塾として実績も作れません。このため、その子が受かりそうな「絶対安全圏」と思われる中学校を1~2校、教えてくれるものです。

ふだんの性格なども見ているため、合いそうな校風も教えてくれますので、よく話を聞いておきましょう。

②塾として受験実績を作りたい中学校

「少しムリめじゃないの…?」と思うような中学校を推してくることもありますが、これはたいてい、塾として受験実績(できれば合格実績も)を作りたい中学校です。

御三家や有名インターナショナル校など、どの親も気になる有名校に子供を送り込むのは、塾としての実績づくりの側面が否定できません。

とはいえ、まったく偏差値が届かない学校を強く勧めることはまれなので、ムリめぐらいなら敢えて受けてみることも、ありかもしれません。

③優秀な受験生を送って欲しいと、塾に頼んでいる中学校

意外なことですが、中学受験においては有名進学校ほど、塾とのつながりを重視している傾向があります。自分の学校に優秀な受験生を送りこんで欲しい、塾にそう頼んでいる名門校はじつは少なくないのです。

私立中高一貫校の評価は、優秀な大学に合格者を出せるかで決まります。このため、成績優秀で受験慣れした小学生を迎え入れることのメリットは少なくありません。

しっかりと勉強する習慣や、受験勉強のやり方を身に付けた子供を送りこんでくれる学習塾は、私立一貫校のステイタス向上と存続維持に不可欠なのです。



新設中高一貫校の受験情報は塾から入手

とくに新設校は塾を通して詳しい受験情報を発信することが多いようです。まだ開校していない新設校の校長と受験生の親たちを集めて、独自懇談会を開催する塾もあります。

「共学校」が少ない東京

ここ10年ほどで、かつての名門女子校が共学化し、中高一貫グローバル校(英語教育や国際教育重視の学校)に転換することが増えています。東京都内には私立の「女子校」「男子校」は多いのですが、「共学で中高一貫校」は少ないため、今後もこういった新設校が増えていくことが予想されます。

女子校→グローバル校への転換校も

こういった新設共学校はグローバル校(英語教育や国際教育重視の学校)を目指すことが多いため、開校と同時に人気校となり、高偏差値をたたき出すことも少なくありません。

2015年に日本橋女学館中学校から校名変更、共学化した開智日本橋学園中学校などはその代表格です。いまや国際バカロレア導入校としてもっとも有名な学校のひとつとなっています。昨年で言うと広尾学園小石川が初年度の入試で、とんでもない高倍率を記録しましたが、今後もこういった新設校が現れる可能性はあります。

 

中学受験追い込み:親が冷静になってこそ、子供は成果を出す

最初にもお伝えしたとおり、6年生の年末年始は子供の成績がだいたい安定してくる時期ですので、現実を直視して学校選びをすることがとても大切です。

親ができることは「叱らない、むやみに追い込まない」「生きた情報収集をする」といったことに尽きます。

小学6年生といえば、もう気持ちは大人に近い子も少なくありません。12歳ぐらいの子供は思春期が近く、反抗したり、自分で考えたりし始める時期です。ここまでがんばってきた子供なら、最後の仕上げは何をするべきか、自分でもわかっていることが多いでしょう。

親子関係を不安定にしてまで受験に追い込まれる子供や、親から否定されてしまう子供は可哀想です。親がまず冷静になり、親子関係は受験の後もずっと続くということを胸に刻んで接してあげましょう。

2月の勝者になることも大切ですが、人生の勝者になるには、もっともっと長いレースを走らないといけないことを、親が示してあげましょう。



この記事の執筆者

Pearl編集部

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