なぜ女は婚活するの①パパ活アプリ潜入で知った結婚の限界

なぜ女は婚活するの①パパ活アプリ潜入で知った結婚の限界

婚活で悩む女性は多い。なぜ婚活しなくてはいけないの?婚活で本当に幸せになれるの?ネット上の多くの婚活記事はそんな悩みにつけこんでいるものも多い。人生の大切な選択を人のコンプレックスにつけ込んだ広告(「垢抜けてないからフラれた」「脱毛したらモテた」など)と変わらないレベルで煽られるのは良くないと思う。

この連載では「婚活」を自分がなりたい姿に近づく選択肢としてとらえて、婚活沼から抜け出すヒントを少しずつ探していく。婚活で悩む人たちが少しでも生きやすい世の中になりますようにという願いをこめて。

女の婚活はプレッシャーとの戦い

パートナーがいる、いないに関わらず、結婚の報告がくるたびに取り残された気持ちになる人は多いのではないだろうか。私もそのひとり。今年はすでに3回、友人の結婚式が決まっている。

パートナーと長年付き合っていると、「結婚はいつなの?」という質問がしょっちゅうやってくる。女の婚活はなぜか周りからの目やプレッシャーとの戦いになる。

実際、私だっていつパートナーと離れることになるかわからない。今は冷静に「結婚してメリットがあるならする」「子育てできる経済状況になったら」みたいなことを言ってしまうが、実際パートナーに別れを告げられたら「なりふり構わず結婚しときゃよかった!」と嘆くのだろう。

そしてなんだかんだでいつか婚活を始めるだろう。

パパ活アプリ潜入で知った「結婚の限界」

私は婚活や結婚は自分の人生においての一つの通過点くらいに考えると気が楽だと思う。婚活、ひいては結婚は、自分のなりたい姿になるための手段や選択肢に過ぎないと割り切ったほうがいい。

私には5年以上付き合っているパートナーがいるが、仕事のためにパパ活アプリに積極的に潜っていたことがある(前職で男女のマッチングアプリ制作に関わっていたことから、利用ユーザーを調査していた)。

パパ活アプリ利用者は、なんとまあ既婚者の多いことか。それでもってプロフィール文は「日々に刺激が欲しくて登録しました。疑似恋愛がしたいです」である。こんな人が溢れかえっているのを見ると、「結婚は愛する人と一生一緒に過ごすものなんてありえないな」と思ってしまったのであった。

マッチングアプリに感じる「婚活の限界」

ここ数年でマッチングアプリをうまく使って、サッと出会ってサッと結婚する人は増えたように感じる。

携帯電話はスマートフォンに代わり、親に決められた人との対面のお見合いはなくなり、スマートフォンでアプリを使えば自分の好みや条件に合った人とマッチングできるようになった。

婚活もスピードアップできそうに思ってしまうけど、そうはならない人もじっさいは多いのはなぜだろう?

ネットの婚活アドバイスを見ると「理想が高すぎる!」「自分の市場価値や年齢を考えろ!」なんて厳しい言葉ばかり並べられている。だけど誰かを傷つけてるわけでもないのに、自分が欲しいものを求め続けて何が悪いのか。

婚活は、いろんな人と泥臭く出会っていくアナログな作業だ。「婚活なんてダラダラやり続けていくのが間違っている」という意見は無視していいと思う。

自分がなりたい姿って何なんだろう?

婚活において理想を追うのは「現実を見てない」と批判されがちだが、自分が欲しいものを求め続けられる熱量は、今の時代には大きな強みになると思う。

見えるものが目まぐるしく変化していく中で、私たちの中身まで圧倒的スピードで変われと言うのは酷だ。私たちは「目に見えるもの」と「目に見えないもの」の狭間で日々葛藤している。

こんな時代の中で自分がなりたい姿って何なんだろう。

ありのままのあなたが素晴らしいと伝えたいのはもちろんだが、希望を高く持つことも否定しない。婚活において「そんなのはあなたにふさわしくない」と言われるかもしれないが、今の世の中において、高みを目指すのは素敵なことなのだ。

仕事を通して出会った、自分らしい人たち

日本では自分のなりたい姿になるために内面と向き合うことの大切さをあまり教えてくれない。でも私は職業柄、その重要性を感じている人とたくさん出会ってきた。

ある人はうつ病を患った経験があったり、統合失調症を患った経験があったり、またある人は友人の自殺を経験していたり、自分の悩みを打ち明けられずにいる人や、すでに自分自身を愛するための自分との対話の重要性について発信している人もいた。

みんな、日本におけるルッキズムやジェンダー格差、自殺率の高さ、精神疾患への偏見や悩みを共有しづらい環境、自分自身を軽視する風潮について真剣に考えていた。

私の知らないところで、より世の中をよくしたいと動いている人たちがこんなにもいるのかと驚き、胸を打たれた。

なぜ女は婚活するのか?

なんで女は婚活するのか?自分で自分をめいっぱい幸せにできれば、結婚はいらないんだと思う。私は精神的にそこまで強くないし、できれば一人になりたくないから”今は”結婚したい。

ただ、その「結婚したい」気持ちに支配されればされるほど、周りの状況と自分の状況を比べてしまって、自分を取り繕った婚活に傾いていく気がする。それは「自分がなりたい姿になるための多様な選択肢を知るため」の婚活とは、ほど遠い。

婚活を通して自分を幸せにする道や、自分のなりたい姿が見えてきたらそれでいいし、見えてこなければ、もがき続けたっていい。寄り道だって、ひょんなことから自分にとっての重要な選択肢の一つになり得る。

私の婚活感を通して「こんな人間もいるんだな〜」と思って、少しでも参考になれば嬉しい。

この記事の執筆者

ハシモトカノン

ハシモトカノン

兵庫県出身ライター。 インドでフィールドワークを行った際、チベット人学生に出会ったことなどをきっかけに根深い問題や社会に埋もれた小さな声を伝える記者という仕事に興味を持ち、大学卒業後、Webディレクター/マーケターとして働く傍ら、ブログやSNSで女性目線で情報を発信し始める。

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