「コンスタンティン」名コンビ再び⁉オトナの暇つぶし【スウィディッシュ・ディックス/Swedish Dicks】
Netflixのドラマは中毒性があるものが多いけど、【スウィディッシュ・ディックス/Swedish Dicks】もそのひとつ。明らかに「オトナ」ジャンルの香りがする探偵コメディには、キアヌ・リーヴスとピーター・ストーメアという「コンスタンティン」の名コンビが出演。稀代のアクションスター、キアヌと演技派のシェイクスピア俳優ピーターが織りなす、おバカで微笑ましいヒューマン・コメディの見方をご紹介(タイトル画像はNetflixの公式ページより転載)。
【スウィディッシュ・ディックス/Swedish Dicks】のあらすじ
元スタントマンのイングマール・アンダーソン(ピーター・ストーメア)は、スウェーデン人の私立探偵(←無免許)。親友のテックス・ジョンソン(キアヌ・リーブス)を撮影中の事故で失い、そのトラウマから業界を引退。ロサンゼルスで私立探偵として生計を立てていた。
童顔のDJ アクセル・クルーズと出会い、ひょんなことからタッグを組むことになったが、その頃から亡くなった親友テックスの死因に疑問を抱くようになる。
イングマールの長年のライバルで(と勝手に思っている)、ロサンゼルスNo.1の探偵会社社長、ジェーン・マッキニー(トレイシー・ローズ)や、イングマールの娘ながら、イケてる弁護士のサラ・アンダーソン(フェリシア・クーパー)も巻き込み、無免許の探偵会社「SwedishDicks」は、今日もさまざまな難事件を解決する…!?
「スウィディッシュ・ディックス」というタイトルがヤバイ
まずは、この記事を読む方は大人のたしなみと品格を持っている、というのを前提にして申し上げますが、このドラマの「Swedish(スウェーデンの)Dicks(探偵たち)」というタイトルはちょっとヤバめです。
ちょっとオトナのたしなみがある方なら、スウェーデンの特産エンターテイメントと英語の俗語を連想し、「…かなりヤバイ」とお感じのはず。
かといって本編中に下品な表現やえげつない描写はまったくなく(…ときどきあります)、全編を通してチラホラと仄めかされる「オトナの知識」を試されることになります。「フフフ…」と、オトナの笑いをもらしてしまうあなたは、かなりの経験者でしょう。
キャストの経歴がヤバイ
「スウィディッシュ・ディックス」の出演キャストの経歴もヤバすぎます。
イングマール・アンダーソン | ピーター・ストーメア(Peter Stormare) |
アクセル・クルゼ/アクセル・マグナス・エンシュトレーム | ヨハン・グランス(Johan Glans) |
サン | ヴィヴィアン・バン(Vivian Bang) |
サラ・アンダーソン | フェリシア・クーパー(Felisha Cooper) |
テックス・ジョンソン | キアヌ・リーブス(Keanu Reeves) |
ジェーン・マッキニー | トレイシー・ローズ(Traci Lords) |
イヴ | ステファニー・ケーニッヒ(Stephanie Koenig) |
ピーター・ストーメア
まずは主演のピーター・ストーメア。「プリズン・ブレイク」のジョン・アブルッチ役といえば、わかる人も多いのではないでしょうか?
キアヌと共演した「コンスタンティン」では、自分を裏切ろうとした息子を地獄に「回収」するパパ・デーモン…怖い悪魔というより、出来の悪い息子に悩まされる下町マフィア親分風情。ユーモラスでちょっと色っぽい悪魔でした。
ピーター・ストーメアは極悪役が多いのですが、本人はコミコンにピンクのジャージで現れるなど、超陽キャラ。今回は素に近い(?)お人好しのおっさん探偵として主演。蛇足ですが、奥さんは広島出身の日本人女性だそうです。
キアヌ・リーブス
そして、主演のストーメアを食ってしまいそうな存在感のキアヌ・リーヴス。「スピード」、「マトリックス」シリーズ、「コンスタンティン」シリーズ、「ジョン・ウィック」シリーズなど、質の高い作品に出続けるスターでありながら、人柄がいいことでも有名。
自分のために働いてくれたキャストの依頼なら、低予算の小作品にも出演してくれるようです。ピーター・ストーメアとは仲がいいらしく、今回の出演もノリノリです。ミステリアスに生と死を行き来する親友のテックス役です。
トレイシー・ローズ
このドラマで「ヤバそうな」女探偵として存在感を醸すトレイシー・ローズは、その壮絶な人生エピソードから、分かる人なら「あ…!?」という配役となっています。
トレイシーは10代から身近な大人たちに虐待と搾取を繰り返され、言われるがままにポルノに出演。15歳にはトップ女優となりました。当然ながら警察に児童ポルノ出演で摘発され、ポルノ業界からは引退。
改心して自力でオーディションを受けまくり、バカにされてもめげずに演技派女優として表の世界に返り咲いたサバイバーです。現在の彼女の堂々とした活躍ぶりは尊敬されています。
ヨハン・グランス
ピーター・ストーメアの片腕となるアクセル役には、スウェーデンの国民的なお笑いタレントのヨハン・グランス。「童顔のオッサンDJ」役で出演ですが、実際も1974年生まれ47歳、すごく若く見える人のようです。
作中のアクセルはアメリカの生活に憧れて長期滞在するも、じつは不法滞在者。偽造パスポートを作るために名前まで変えてしまいます。
ヴィヴィアン・バン
北朝鮮出身の謎の掃除婦、サン(後半から探偵事務所のアシスタントになる)を演じるのは韓国出身でアメリカ育ちの女優、ヴィヴィアン・バン。2018年のサンダンス映画祭で上映された「ホワイトラビット」にも主演しています。
アジア人への偏見を逆手に取った、コミカルな役作りで人気があります。
フェリシア・クーパー
1992年にノースカロライナ州で生まれたフェリシア・クーパーは、ピーター演じるイングマールの娘役として出演。現在はテレビを中心に活躍していますが、ドラマ「ラスベガス」のマーシャ・トマソンを彷彿とさせる美貌。なかなか他にはいないタイプの女優さんですから、これから出演も増えそうです。
ステファニー・ケーニッヒ
ステファニー・ケーニッヒはDCシリーズに出演している若手女優。美しいレッドヘアとおしゃれな雰囲気で、これからが期待される女優さんです。
「スウェーデン」ネタもヤバイ
ビデオのトレーラーにある「スウェーデン最高の輸出品を見届けろ!」というキャッチフレーズ。
この映画のもうひとつの見どころは、スウェーデンいじり。「〇〇人は〇〇だ」という、いわゆる「エスニックジョーク」はいまや時代遅れ…のはずなのですが、スウェーデンという国の立ち位置ゆえか、イヤな感じはしません。
「ちょっと変わった国」扱いを、朴訥なスウェーデン気質でおっとりと受け入れている様子は、海外映画や海外ドラマで文化をいじられがちな日本人からすれば、「わかるわかる」という気持ちになります。いちいち目くじら立てないところも同じ。
「IKEAの国」「フィーカ(お茶とおしゃべり)」「あっち系ビデオ」など、作中ではいろいろなスウェーデンいじりが炸裂しますが、一番のいじりネタはスウェーデン語。道端で突然、不思議なスウェーデン語で内緒話や喧嘩を始めるピーターとヨハンに、耳がくぎ付けです。
オトナの暇つぶしにもってこい
【スウィディッシュ・ディックス/Swedish Dicks】が名作かと言われると、はっきり言って、名作じゃありませんが、楽しく30分ほどつぶしたい、というときにはもってこいでしょう。
ハリウッドの表裏を知り尽くしたベテラン俳優のピーター・ストーメアが製作にかかわっており、それにキアヌ・リーブスが肩入れしている…面白くないわけありません。
「暇だなぁ。なんか面白いものないかなぁ…」とリモコンを手に取った時には、ぜひおすすめです。
シーズン3もリリース?
2016年に公開されたシーズン1に続き、翌2017年にはシーズン2もリリースされました。コロナ禍で撮影が思うようにいかない状況とはいえ、今後シリーズ3がリリースされるのかは気になるところ。
海外のネットニュースでは「イングマールの元妻(娘サラの母親)役が、とある女優にオファーされた」「キアヌがシーズン3があるのか、ピーター・ストーメアに問い合わせた」という噂もありました。日本でも視聴率を上げて、続編を期待したいところです。
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