主婦は株で大損しやすい!?といわれる理由と解決法

主婦は株で大損しやすい!?といわれる理由と解決法

「主婦は株で大損しやすい」と聞いたことがありませんか?限られた収入から節約してコツコツ貯金をしても、低金利時代に財産はなかなか増えません。いっぽうで株式市場はここのところ世界的にも好調です。同じ主婦でも投資で一財産を築く人もいますし、失敗する人もいます。その違いは何でしょう?この記事では「株式投資で大損をしやすい主婦」の5つのタイプ、大損を避けるための4つのルールについて説明します。



主婦は株で大損しやすいといわれてきた理由は?

なぜ「主婦は株で大損しやすい」と言われるのでしょう?

女性の社会進出がままならなかった頃は、企業で就職ができず、社会人経験がほとんどない主婦もかなりいました。また、インターネットがなかった頃は、株式市場の情報収集も今ほど簡単ではありませんでした。

このため主婦が「経済状況や企業情報にうとい」「株の知識がない」といわれやすかったのでしょう。

しかし、女性も社会人として長く働くようになった現代では、投資に関する知識不足は「主婦だから」というより、「本人が興味がない」「勉強をしない」ためといえます。

株で大損しやすい主婦、5つのタイプ分け

ここからは「株で大損をしやすいタイプ」の主婦の特徴を見ていきましょう。

①世間知らず

株式投資はゲームではありませんので、新聞やネットニュースをまったく読まない世間知らずのままで投資を始めるのは危険です。「不況が始まる」「あの会社はヤバイ」といったことに気付かないで株式市場に飛び込んでしまいます。

デパートやスーパーのセールでは事前に情報収集し、開店前に並んで良いポジションを確保しますよね?ニュースをきちんと読んで、自分が買い物をする良いポジションを探せないなら、株式投資は財産を失う危険なものになってしまいます。

株式投資は(株式市場を通して)企業に資金を貸すことです。「この企業ならきっと倍返ししてくれるだろう」と思える企業や景況感でないと、投資してはいけません。それでも期待がハズレることはたくさんありますが…!

②ギャンブル気質

平凡な毎日の中で、ちょっとしたお小遣いを稼げれば…という軽い気持ちで株式投資を始め、のめり込んだあげくに取り返しのつかない大金を失ってしまう主婦もいます。

デイトレードのような短期間の株取引で「勝ち負け」に執着し始めると、これはほとんどギャンブルです。

借金はギャンブルで作っても、株で作っても、事業で作っても、すべて借金です。自分が返済で追い込まれるタイプの借金を負うのは、ぜったいに避けなくてはなりません。

パチンコにハマったことがある、課金ゲームにつぎ込んだ経験がある、こういった方はギャンブル気質があるかもしれません。

ギャンブル気質のある方が株式投資をするなら、数カ月~数年単位の中長期取引、現物取引をすること。デイトレード、信用取引は厳禁です。



③誰かに言われると断れない

インターネットが普及する以前の時代、株式取引は限られた金持ちが行う投資であり、その手段も現代とは違いました。証券会社の支店に口座を持ち、自分の担当者がついたり、電話での取引をしていたのです。

売買の窓口を証券会社の社員がしていたため、彼らと上手におつきあいをしないと、希望した株式がなかなか手に入らないこともあり、売り手は強気でセールスもしつこく、主婦がおだてられてターゲットにされることも多かったようです。

そういった「プロ」に株式を勧められて断りきれず、言われるがままなんとなく購入する…。これもかつては株式投資で損をしやすかった大きな理由です。

最近ではオンライン投資が一般的になって、担当者がついて株を売り込まれる人は一部の富裕層だけになりました。インターネットもあるため、新聞の経済欄や専門誌に足りない情報を証券会社に頼っていた時代よりも、はるかに情報収集が簡単です。

しかし、現在でも「ネットでおすすめしていたから」「SNSでインフルエンサーが買っていたから」など、ふんわりした理由で株式購入をする人はいます。いい情報だと思っても、一度自分の頭で考えて判断しましょう。

④大金を1銘柄につぎ込む

「その企業の商品を使っているから」「その企業を応援したいから」という理由で、好きな企業の株式を買う人も多いと思います。

しかし、こういった有名企業への投資では、気を付けなくてはならないことはあります。たとえば、ユ〇ク〇のヘビーユーザーが「自分はもう20年もここのジーンズを買っている!ぜったいに大丈夫」と思って同社の株を買うとします。

ユ〇ク〇を展開する企業の株は、1株だと10万円以下(現在7万円前後)ですが、じつは100株単位でないと取引できない銘柄だったりします。

  • 7万円×100株=700万円!?

意外にも金額が大きいのにびっくりしませんか?

誰もがファンになる、知っている、といった大企業は、株価が高いため、必要な額が大きくなることも。また、高評価されている企業なので、株価はすでに上がり切っており、オトク感がぜんぜんない!ということもしばしばです。

無名の高品質コスメを探すように、根気よくお得な株を探す根性も必要です。

⑤プライドが高い

株式投資を通して「こんなに稼げるなんて自分は優秀だ、金持ちだ」と感じることは、気持ちはいいのですが、投資の目を曇らせるのでおすすめできません。

自分が惚れ込んで買った企業の株価が急落したとき、こんなはずでは…と、プライドが捨てられないと損が増えていきます。株で作った損を株で埋めようとして、信用取引に手を出したりしかねません。自分の失敗をすぐ認めて、大損をする前の小損ぐらいの段階でパッと売り払えば、傷は浅く済みます。

プライドといえば、かつては証券会社の担当者から電話がかかってくると、自分が特別扱いされているように感じて嬉しくなる、勧められると断れない…というような気持ちがあったといいます。株式投資にプライドはいりません。



株で大損を避ける4つのルール

次に「株で大損をしない」主婦が知っている4つのルールを見ていきましょう。

学校を出てすぐに結婚するのが常識だった時代の主婦と、現代の社会人経験を経て家に入った主婦では、経済に対する感性もまったく違います。そんな現代の主婦が、きちんとした投資を学べば、株式投資は大損どころか財産を築くための手段となります。

①なるべく早く小額で始める

株式投資というと、富裕な高齢者のための老後資金づくり、というイメージがあります。しかし、世界的な投資家たちを見ると、10代~大学生ぐらいの若いうちから投資に親しんでいます。株式投資は若いうちにスタートし、小額の失敗をしながらトレーニングを。

株式投資のノウハウを学ばないまま年を取り、投資初心者のまま、老後資金を一気に株式市場に注ぎ込む…なんて、考えただけでも怖すぎますよね。若いうちに小額から株式投資を始め、痛みを感じながら勉強することがとても重要といえます。

若い時に失う50万円は、お金がない時代には高い授業料かもしれません。しかしその教訓と経験があれば、もっと多額の老後資金を下手な投資で失わないで済むかもしれません。

②リスク分散をする

株式投資に限らず、投資するときは「リスク分散」をしましょう。

「業界を分散する」「エリアを分散する」「あつかっている商品を分散する」など、資金を複数のジャンルに分けて投資することを「リスク分散」といいます。

たとえば日本の不動産会社の株ばかりを、いくつも買った場合。日本で不動産業界のマーケットが下落したらすべての株価が下がり、大損してしまう可能性があります。いっぺんにすべてを失うことになりかねません。



③損切りのルールを守る

自分の持っている株式の株価がどんどん下がっているとき。思い切って損を承知でその株を売ることを「損切り」といいます。反対に損切りをしないで含み損株を持ち続けることを「塩漬けにする」といいます。

損切りのルールは人によって、投資手法によってさまざまですが、ぜったいに損切りが必要なのは信用取引をしている人など、レバレッジをかけて売買をしている人です。

現物取引をしている場合、高配当株、株主優待が魅力的な株は、塩漬けにしておけばいつの間にか株価が持ち直したりしますので、パニック売りしないことが何よりも大切です。

④損をしたら「休む」

株で損をしたときの立ち直り方は「いったん休む」ことです。「株の損は株で取り返す」という気持ちを捨てるのが大損を回避するコツです。

自分では冷静なつもりでも、損をした人は冷静な判断がしづらくなると言われます。「負けを取り戻したい」という心理状態となり、いつもより大金をつぎ込んだ無茶な取引をしがちです。

こうなってしまうとただのギャンブルや投機となってしまい、さらに損失が拡大する可能性も…。そんなタイミングであせって信用取引を開始したりすれば、まさに大きな借金の始まりとなりかねません…!

株式取引で損をして冷静さを失ってしまったら、かならず少し休んでください。短期間に株の負けを株で取り返そうと考えるのはやめましょう。



ぜったい損をしない投資は、この世にない

「100%儲かる投資がある」と言われたら、あなたはどうしますか?そんな投資を本気にしてはいけません。なぜなら、損をしない投資なんて、ほとんどないからです。

株式投資をするうえで「小損」は必ず起きます。お天気がいい日と悪い日があるのと同じで、景況感はいい時も悪い時もあり、最新のテクノロジーでも完全な予測はできません。

ただ、天気の悪い日(景況感が悪いとき)にちょっと小損をしたぐらいで、投資を止めてしまうのはもったいないことです。

未来の株価を読めるひとなんていません。しかし、上手に株価の上下につきあって、いつの間にかひと財産築くひとはたくさんいます。

株式市場を一瞬の勝負の場とは捉えず、長い付き合いの場と捉えてみませんか。数年単位で株価を毎日身近に感じるようにしてください。上がるときもあれば、下がるときもあるのです。

主婦の株式投資を成功させるために

株で大損しやすいのは主婦と言われた理由と、株式投資を成功させるためのルールについてご説明しました。

主婦にかぎらず、日本の株式投資のハードルは本当に低くなりました。

日本証券業協会の調査では「6人に1人」がすでに資産運用をしていると言われており、今後ますます増加していくと予測されます。株式に関する知識や情報も、以前とは比べ物にならないほど豊富に手に入ります。国もNISAやiDeCoで一般人の株式投資を後押ししています。きちんと情報収集したり、積極的に学ぶことがおすすめです!


この記事の執筆者

林 晶

林 晶

人材紹介会社でキャリアコンサルタントとして数百名の仕事の悩みを聞いた経験を持つ。子育てを経てキャリアライターに。得意なライティング分野は、ベンチャー業界、不動産投資、外資系の働き方、子育てとキャリアなど。趣味は自転車で神楽坂と谷根千をブラつくこと。

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